ケアマネ歴12年、介護福祉士歴8年。居宅ケアマネや施設ケアマネを含み、これまで4回の転職を経験。成功した転職もあれば、失敗した転職ありました。そんな転職経験を活かすため当ブログを立ち上げました。ケアマネジャーのお仕事や転職をサポートするセミナーに多数登壇。ケアマネジャー情報雑誌に掲載実績あり。保有資格は、介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、介護事務、ケアクラーク、他。現在は千葉県内の主任ケアマネジャーとして千葉県内の地域包括支援センターで働いています。
ケアマネジャー派遣の時給はいくら?正社員やパートと比べてみた
ケアマネジャーには派遣社員という働き方もあります。派遣社員と聞いてイメージするのが、時給の高さ、自由な勤務時間、そして派遣切り…。良いイメージ、悪いイメージ様々だと思います。
そこで今回、ケアマネジャーの派遣登録サイト、さらに派遣会社について調べてみました。正社員と比べてどう違うのか?時給はパートより高い?などなど、派遣社員のメリット・デメリットを紹介します。
目次
登録型派遣と紹介予定派遣の違い
派遣には大きく分けて「登録型派遣」と「紹介予定派遣」の2種類があります。時給や仕事内容に大きな違いはありませんが、契約期間や契約満了後はそれぞれ異なります。
まずは「登録型派遣」と「紹介予定派遣」の違いについて簡単に説明いたします。
登録型派遣について
「登録型派遣」とは、派遣会社に人材登録を行い、紹介された職場で働くというもの。募集されている派遣求人の8割は「登録型派遣」となっています。
派遣契約期間は登録した会社によって様々ですが、毎月更新、最長6ヶ月契約が多いようです。また、派遣社員もしくは派遣先のどちらか一方が契約終了を希望した時点で契約満了となります。
契約満了後は、派遣登録会社によって新しい仕事を紹介されます。仕事内容や勤務地、時給などを確認して、仕事を受けるかどうか決めます。
紹介予定派遣について
一方の「紹介予定派遣」とは、契約満了後に派遣先での正社員雇用を前提とした派遣契約です。紹介予定派遣として働く契約期間は最長6ヶ月。6ヶ月の間で正社員になるかどうかを決断します。
もちろん、正社員雇用は派遣社員と派遣先の双方合意の原則。どちらかが「違う」と思えば不成立となります。簡単な言葉で言い換えれば「おためし期間」ですね。
ケアマネジャーの派遣求人は少ない?
結論から言うと、ケアマネジャーの派遣求人は非常に少ないです。
そもそも、ケアマネジャーの仕事は長期にわたって利用者様に寄り添い、サポートすることが役割。そのため、期間限定の派遣雇用とは実に相性が悪いのです。
当ブログでおすすめしているケアマネジャーの転職サイト「マイナビ介護職」「ジョブメドレー」「レバウェル介護」でも掲載されている派遣求人はゼロ。ひとつも募集されていませんでした。
また、Google検索でヒットした「MC介護のお仕事」は21件、「テンプスタッフ」は4件のみでした(2023年3月時点)
正社員求人が7,939件(マイナビ介護職:2023年3月時点)、パート求人が2456件(ジョブメドレー:2023年3月時点)と考えれば、その差は歴然。ケアマネジャーの派遣求人がいかに少ないかが、お分かりになると思います。
ケアマネジャーの派遣は時給1500円が相場
ケアマネジャー派遣の時給に関しては、MC介護のお仕事を参考に調べてみました。掲載中の派遣求人、全21件の時給を合計して21で割ったところ、時給1,557円となりました。よって、ケアマネジャー派遣の時給相場は1,500円前後となります。
なお、ケアマネジャーのパートの平均時給が1,400円前後ですので、派遣の方が100円ほど時給が高くなりますね。
厚生労働省が公開している賃金構造基本統計調査をもとに調べた、正社員、パート、派遣社員の給料比較は以下の通り(1日8時間、月22日出勤の場合)
雇用形態 | 時給 | 月収 |
---|---|---|
正社員 | – | 月収35万320円 |
パート | 時給1,400円 | 月収24万6,400円 |
派遣社員 | 時給1,500円 | 月収26万4,000円 |
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こうしてみると、正社員の方が圧倒的に給料は高いことが分かります。
派遣社員は残業代で稼ぐ?
「ケアマネ派遣の時給はパートと大差ないのか…」と落胆している方に朗報。派遣社員は残業代で稼げるんです。
派遣社員の残業代は全額支給が原則となっています。さらに、8時間を超える残業は時給が25%割増になることも労働者派遣法で定められています。
例えば、時給1500円の派遣求人で、毎日1時間の残業をしたとします。時給1500円の25%割増は時給1875円です。月22日出勤だと、給料は上記の表からさらに月4万1250円アップとなり、月収30万5250円。節目の月収30万円に届きます。
基本給月収26万4000円 + 残業代月4万1250円 = 月収30万5250円
直接雇用のパートとの大きな違いはココですね。派遣会社がワンクッション入るだけで、残業や給与面がしっかりしています。
派遣社員として働くケアマネジャーの仕事内容
派遣社員の雇用主は派遣会社になりますが、業務の指示などは派遣先が行います。そのため、仕事内容は派遣先によって異なるでしょう。
派遣求人の募集要項には「業務内容」として以下のような記載があります。
- 介護支援センター(居宅介護支援事業所)内での相談業務
- ケアプラン作成
- 認定調査
- 介護事業所・医療機関との調整
- 管理者のサポート業務
- 請求業務
- 打ち込み業務
その他にも、施設ケアマネ求人だと「介護業務」といった記載もあり、介護職兼任という場合もあるようです。
派遣先のルールに柔軟対応できるスキルが求められる
豊富な知識やパソコン操作など、ケアマネジャーには様々なスキルが求められますが、派遣全般に求められるスキルは「柔軟に対応できるスキル」です。
仕事内容は派遣先によって異なりますが、その仕事のやり方、進め方、細かなルールまでも派遣先で異なります。
私も何度か転職経験があるので分かりますが、ケアプランやアセスメントシートの様式は職場によって様々。新しいやり方に対して、いかに早く、柔軟に対応できるかが重要になるでしょう。
派遣という働き方はおすすめできない
ケアマネジャーの派遣求人数は少ないですが、パートよりも時給は高く、残業代を合わせれば正社員並みに稼ぐことも可能。派遣社員という立場上、休日対応もありません。
一方で、派遣社員として働くケアマネジャーには、それなりの実務経験が求められます。常に即戦力として派遣されるため、高い意識を持つことが大切です。
また、短期間で職場が移り変わりするため、利用者様や職場内でのコミュニケーション能力も必要。新しい職場のルールに柔軟に対応できるかどうかが重要になります。
最近では、不況の影響もあってか「派遣切り」がまた増えているようです。求人数の少なさからも、派遣社員の将来性としては危うい状況であるという見解もあります。そのため、個人的人は派遣という働き方はおすすめできません。
もし、今の給料、勤務時間、仕事内容に不満があるなら派遣ではなく正社員での転職も手。今よりも好条件の転職先が見つかるかもしれませんよ。
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